mTORの役割とは
mTORは、細胞にとって「栄養センサー」兼「成長スイッチ」。
栄養が十分なときは 合成・成長モード に切り替えて体を作る。逆に栄養が不足したときはオフになり、細胞のリサイクル機能(オートファジー)が働きます。
mTORの“いい面”
- 若さを保つための成長サポート
十分な栄養やホルモンを合図に、細胞を修復・増殖させる。筋肉量や骨量の維持にも欠かせません。 - 免疫や代謝を支える
体のエネルギーを効率よく回して、日常生活に必要な活動力を支えてくれます。
mTORの“悪い面”
- 働きすぎ=老化の加速
常にオンだとオートファジーが止まり、細胞内に老廃物や傷んだタンパク質が蓄積。これが老化や認知症・動脈硬化につながると考えられています。 - 病気リスクとの関係
がんや糖尿病など、生活習慣病の背景に「過剰なmTOR活性」が関わっているという研究もあります。
健康寿命を伸ばすために大事なこと
- オンとオフのバランスがカギ
mTORは「悪者」ではなく、必要不可欠な存在。ただし常にオンにしっぱなしは危険。 - 工夫次第で調整できる
- 食事:高タンパク・高糖質ばかりに偏らず、時に控えめにする。
- 運動:筋トレでmTORを活性化、休養や軽い断食でオートファジーを促す。
- 生活習慣:睡眠やストレス管理も、mTORとオートファジーの切り替えに関与。
まとめ
mTORは「良い」か「悪い」かではなく、オンとオフの切り替え次第で“アンチエイジングの味方”にも“老化の促進因子”にもなる存在です。
健康寿命を延ばすためには、栄養・運動・休息をバランスよく取り入れて、mTORとオートファジーのリズムを整えていくことが大切です。